労働契約法改正★雇止め法理に要注意!

平成24年8月10日に改正された労働契約法の内容は
①無期労働契約への転換
②「雇止め法理」の法定化
③不合理な労働条件の禁止  となっています。
①、③についてはまだ施行されていませんが、②については8月10日より施行となりました。

今回はこの「雇止め法理」の法定化 についてお話したいと思います。

◆まず、雇止め法理とは??
 最高裁判決で確立している合理的な理由がないと雇止めできない、
 というルールのこ事です。
 今回はこのルールがそのまま法律に規定されることとなりました。

 
◆対象となる有期労働契約は?
 ①過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約
  の解雇と社会通念上同視できるものと認められるもの
 ②労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が
  更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの

◆要件と効果
 上記①、②のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、
 「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、
 雇止め認められるません。
 従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されます。

 
◆必要な手続きは?
 この条文化されたルールが適用になるのは、労働者からの有期労働契約の
 更新の申込みが必要です。
 (契約期間満了後でも遅滞なく申込みをすれば条文化されたルールの対象となります。)
 こうした申込みは、使用者側からの雇止めの意思表示に対して、労働者側が
 「嫌だ、困る」と言うなど、何らかの反対の意思表示が使用者に伝わるものでも
 かまわないと解されます。


これについては、①の反復契約の通算5年というボーダーラインを抜きにして、
1年未満の更新であっても仕事内容や職務の実態、雇用期間、使用者側の言動
などによって雇止めが無効となるケースもあるという事です。

今後はますます、有期労働契約の更新契約書をきっちりと書面化し、
更新条件等を定めておき、労働者にも納得してもらう事が必要になっていきます。

有期労働者がいらっしゃる事業所様においては、今後更新する場合に
何か不安や疑問などがございましたら、是非早めに当事務所へごご相談下さい。


☆改正内容①、②については今後載せていきたいと思います。